主婦から一気にプロへ。仕事も子育ても楽しみながら輝く女性フォトグラファーが語る仕事への想い。

弊社の新生児撮影事業(スリーピングニューボーンフォト)の立ち上げから携わり、
アカデミー(スリーピングニューボーンのフォトグラファー養成スクール)の講師も務める津幡さん。
一児の母であり、数年前まで専業主婦だったが、今では全国を飛び回るプロフォトグラファー兼アカデミー講師となった。そんな仕事も子育ても楽しんでいるキラキラ津幡さんに、仕事への考え方や、これからの目標などについて聞いてみました。

Q:フォトグラファーになる前は、どんなこと・生活をしていましたか?
A:独身時代は、エステで働いていました。
エリアマネージャーとして、色々な店舗に出向いてスタッフを指導するという仕事をしていました。
その時からスタッフ達の悩みを聞いて、その悩みを一緒に解決するというようなことをしていました。
その当時の経験が、今のフォトグラファー育成にもいきていると感じています。
そして、結婚後は拘束時間が長い仕事だったので、続けていくことが難しくなり、退職しました。
子供を産んだ後は、最初は子供服を作って売っていました。
高校生の時にデザインの勉強をしていたので、服作りが好きで、作ったものをメルカリなどで売っていました。
カメラの勉強も同時に始めていたので、自分で作った商品の写真も上手く撮るようになり、その結果、物撮りの仕事依頼も頂けるようになっていきました。
しかし、自分でデザインを考えて、お客様とやりとりを行い、物を製作して、出品して、配送して・・・・と非常に工数や手間がかかる割に、手元に入るお金が少ないので、大きく稼ぐこともできず、このまま子育てをしながら服作りを続けていくのは難しいなと、徐々に限界を感じていました。

Q:写真やカメラを勉強しようと思ったのは、どのようなきっかけがありましたか?
A:独身時代は、写真やカメラに全く興味がありませんでした。
自分の子供が生まれて、子供の写真を撮るようになり、“可愛く撮れるようになりたい”と思うようになってから興味を持ち、カメラの勉強を始めました。
カメラの勉強は、子連れで行けるスクールに何度か通い、マニュアルを使いこなせるまで約1年かけて学びました。

Q:自分のお子さんを撮影するためにカメラを学んだとのことですが、それがどのようにお仕事に繋がっていったのですか?
A:“ママカメラマン”がいることを知り、「私にもできるかも?!」と思ったことがきっかけです。
私の先輩で、元々掃除の仕事をしていた方がフォトグラファーになり、全然関係のない仕事からフォトグラファーになれることを知ったのも、ひとつのきっかけとなりました。
それから、友人から撮影依頼をもらえるようになり、その流れで友人のまた友人・・・と、どんどん撮影依頼をくださる方が増えていったので、「これは仕事にしていけるかも!!」と思い、自然とフォトグラファーの道を歩み始めました。

Q:フォトグラファーとしてプロになったのはいつですが?
A:3年半前位からです。
子供が1歳位の時から、支援センターに通い、そこで自分がやってることをアピールしたり、周りに顔を売ったりして、自らの足を使って地道に自分を売り込んでいきました。
例えば、「プロフィール写真撮りますよ!家族写真撮りますよ!」とかですね。
その結果、自然と撮影依頼が増えていきました。

Q:子育てしながらの、その行動力って…凄いですね!
A:行動力に関しては、昔から私の強みなんです!私から行動力を取ったら、何もなくなるくらいですね!笑

Q:実際にプロになってみて、どのようなライフスタイルになりましたか?
A:プロになったのは、カメラを学んでから約1年半後です。全国に出張もバンバン行き始めたのは、そのさらに約半年後です。
毎日撮影が入り、関東や関西を飛び回り、遠方への出張の日は、朝6時頃に家を出て夜遅くに帰宅するという生活になりました。
元々バリバリ働くことが好きなタイプなので、全国で仕事できるなんて本当にありがたいですし、楽しくて仕方がありません。

Q:日々ハードスケジュールをこなされていますが、特別な健康管理など何かされていますか?
A:特にはしていませんが、なるべく早く寝るようにして、早く起きて仕事しているということくらいですね。
普段、娘と一緒にいる時間が少ない分、一緒にいる日は、娘と一緒に寝るようにしています。
22:00頃には寝て、ケータイもOFF設定にします。その分早く寝た日は、翌日の6時頃には起きて、仕事をしています。
アカデミーを講師として教えているのが、今は私だけなので、自分が倒れたら誰がアカデミーやる?!という緊迫感が常にあります(笑)
もともとカラダは丈夫な方ですが、絶対に崩せないですね。
しかし、以前にスリーピングニューボーンフォトの撮影中に急病にかかり、倒れかけたことがあります。
よりによって名古屋から埼玉に来て撮影していた時に、突然の痛みに襲われ、東京で応急処置をしてもらって、名古屋に帰ってから手術をしました。
幸いその時は、新人フォトグラファーの付き添いだったので、発作が起きた後はそのフォトグラファーにあとはお願いできたので、助かりました。
こういう時に“チーム”で動いてて本当に良かったと心底思いました。もし撮影を1人でしていたら大変なことになってました…。
例え自分自身が元気でも、我が子が風邪をひいたり感染症になってしまったら、新生児の撮影に行けませんからね。家族含めて、自分自身の健康管理は、必須です!

Q:ニューボーンフォトに興味を持ったのはいつからですか?
A:実は、自分が娘を産んだ時に撮りたいと思っていたんです。しかし…気付いたらもう撮れない時期になっていました。“生後2週間以内”しか撮れない写真だということを知らなかったので、もう撮れないことを知ってとてもショックを受けました。
その後、友人が子供を産み、ニューボーンを撮ってほしいと頼まれたことがきっかけで、撮影方法について勉強しようと思いました。
とりあえずは、その依頼を受けた友人の赤ちゃんは、見様見真似で撮影はしましたが、今思えばかなり危険な撮り方をしていたなぁ…と恐ろしく感じます。
「子育て経験がある」のと、「新生児の撮影ができる」は、全くもって違うことだと実感しました。
その後、海外のニューボーン撮影の技術を学びました。

Q:ニューボーンフォトの撮影を始めてみて、どうでしたか?
A:フリーフォトグラファーて、最初の1年は色々な人や物を撮影させて頂きました。
真夏の暑い日や真冬の寒い日など、過酷な状況の中でも野外撮影が多く、拘束時間も長く、カメラ2台を抱えて撮影し続ける…ということが、正直体力面ではかなりハードで、しんどいと感じることがありました。
そんな中ニューボーンフォトと出会い、撮影してみると…
まず新生児の赤ちゃんが、なんて可愛いこと!とにかく可愛くて可愛くて。
しかも、常に撮影は室内であり、適温。撮影後、ママやパパに目の前で喜んでもらえる。
私自身もいつも感動しますし、「なんて良い仕事なんだ…!」と心底思いました。

Q:ニューボーンフォトと、スリーピングニューボーンフォトの違いは何ですか?
一般的なニューボーンフォトは、新生児の時に色々な可愛いポーズで撮影をする写真だと思いますが、私たちが提供しているスリーピングニューボーンフォトは、現在全国で51の産院と提携しており、産院から認められた安全な方法のみで、産院内で撮影するという弊社独自の方法でサービスを提供しております。

Q:弊社の新生児撮影事業「スリーピングニューボーンフォト」の立ち上げメンバーとして、新事業がスタートしてから活躍されている津幡さんですが、立ち上げ当初はどのような苦労がありましたか?
A:いやーーー…困難ばっかりでした(笑)!全てが手探りで、真っ暗闇を歩きながら道を開拓していった感じです。
そもそもニューボーンフォトを知らない人も多いですし、まずはそこからというスタートでした。
何人も何人もの赤ちゃんの撮影しているうちに、例えば、丸くするポージングのコツや、鼻の孔を見せずに可愛く撮るコツなどに気付ていき、「こうしたら可愛く撮れるんだ!」の積み重ねを行ってきました。
レタッチも、どうやったらいかに早く綺麗に修正できるのか?
赤ちゃんに着せる衣装も、最初は市販のものを買っていましたが、大きかったり、実物がいまいちだったりなど問題が色々あり、試行錯誤した結果、今は専属の衣装屋さんにオーダーをして作ってもらうというところまで辿り着きました。
ここまでの道筋や型を作るまでの過程は、とにかく試行錯誤の積み重ねで、やっとここまで来たという感じです。

Q:チームで動いているとはどういったことですか?
A:一つのチーム(エリアごと)に複数のフォトグラファーが所属しており、皆でフォローし合いながら、撮影しています。誰かが急に撮影に行けなくなることもあるので、その際に互いに助け合うことで、お客様にご迷惑をおかけすることなく、常に安定したサービスを提供することが出来ます。
フォトグラファー全体の約7割が、家族や子供がいるので、フォロー体制が整っていることで、フォトグラファー自身も安心して、お仕事をすることができています。
お盆や年末なども、皆で順番に休みを取り合い、調整をしています。

Q:チームには、どういう人がいますか?
A:午前中に家事やレタッチなどを行い、午後に撮影に行き、その後お迎えに行くというスケジュールのフォトグラファーが多いです。
現在チームに所属しているフォトグラファー約50名のうち、7割が子育て中のママです。
保育園などに預けられず、撮影に行けない人もいるので、そういった人は自分の子供を見ながらレタッチの仕事をしています。
子供が昼寝中などに作業をしているそうです。
私たちの仕事は、子育て経験がなくても、子供が好きならどなたでも活躍できる仕事です。
仕事しながら兼任している人もいます。フリーでフォトグラファーをやりつつ、私たちのスリーピングニューボーンのチームに入っている人もいます。
皆色々な環境・スタイルで、それぞれに合った働き方をしています。

Q:ニューボーンのフォトグラファーは、どういう方が向いていると思いますか?
A:作りこみたい人・こだわる人が向いてると思います。ニューボーンフォトは、物撮りに近く、作品作りだと思っています。この子のどの角度で撮ったら一番可愛いのか?などを常に探求しながら、作りこんでいきます。普通のポートレートとも違いますし、特殊ですよね!
可愛く撮るコツは、とにかく優しい気持ち・穏やかな気持ちで、赤ちゃんとママに接することです。別に泣いていいんだよと穏やかな気持ちで接してあげることで、赤ちゃんもママも安心してくれます。そういった気持ちが、写真にも現れますね。

Q:仕事を通じて、一番感動や喜び、やりがいを感じる時はどういった時ですか?
A:まさに今!常に感動してます!!!自分がやりたいと言い出したニューボーンフォトの仕事が、こうしてどんどん形になっていってる。日本中で広がっている。初めは1人でやろうとしてたことが、このたった2年半でもう51病院との提携ができている。
本当に皆様に協力して頂いたおかげでここまできました。
こんな夢みたいなことが本当にあるんだ!と感動しっぱなしです。
あと初めは、稼げるのか?家庭と両立できるのか?など色々な不安をもっているスタッフが多かったですが、実際に今は沢山の女性達が「プロフォトグラファー」として、自立して活躍している姿を見ると、とてもやりがいを感じます。

Q: 仕事において、一番注力していることは何ですか?
A:今はもう自分だけのことではなく、“皆の生活”も背負っているという責任を常に感じています。
なので、とにかく今力を入れていることは、育成です。
どうやったらその人にあった“最短コース”で育成していけるか?人によって、求めるものやペースが違います。
グイグイ引っ張るほうが良い人と、マイペースさを重視したほうが良い人などそれぞれなので、そこを見極めて、最適な方法で育成していくということを常に考えています。
まず、そもそも写真を教えるということが難しいですね。写真は“感覚”なので、感覚を教えるのが本当に難しいです。例えば、“可愛い”といっても、人によって可愛いの基準や感覚が違いますよね。
沢山の人に教えるため、伝え方や表現方法なども難しく、時々自分の可愛い感覚を押し付けているのでは?!と不安に思うこともあります。
おかげさまで全国の産院との提携がどんどん進んでおり、そのスピードが早い分、フォトグラファーの育成も常に急務であり、スピードもあげる必要があるため、とにかく毎日必死です。

Q: 仕事において、今感じている悩みや課題はあります?
育成したい側の会社としての想いと、一フォトグラファーの想いに温度差があったり、組織が大きくなればなるほど、必ずしも皆が同じ方向を向いてるわけではないので、その点が難しいと感じています。
だからと言って、同じ方向を向いてない人が不要なわけではなく、皆がいるからこそ、事業やサービスが成り立っているので。
私にとっては、全フォトグラファーが教え子なので、皆大切なんです。
しかしマネジメントに関しては、同性ならではの難しさもあります。独身女性なら基本は「仕事頑張ろう!楽しもう!」で良いですが、家庭があったり子育て中の人には、頑張ろう!では済まない。ただ単に仕事頑張れる人と、そうではない人がいるので、難しいですね。
あと、私はつい“情”が入ってしまうので、そこも課題です。
仕事は、その人にあった仕事をあてるではなく、仕事ありきで人を紐付けていくことが大事だと、いつも社長から指摘をされています。しかし、例えば「この人はシングルマザーだから、何とか稼がせてあげたい」など。
情も大切だとは思いますが、私はもっと適材適所に仕事を振り分けていくことができるようになっていかなくてはいけないと考えています。

Q: プライベートにおいて、今感じている悩みや課題はありますか?
A:最初は沢山出張に行くのが楽しかったんですが、ふと気づくと我が子の成長が早すぎて…、最近は「もっと身近でそれをちゃんと見たい」という想いが強くなってきています。
プライベートに関しては、それが今唯一の悩みですね。娘との時間が少ないこと。仕事も思いっきりやりたいし、子供とも一緒にいたい!どっちもちゃんとやりたいんです。
有難いことに、私は親に子供を見てもらえるので、比較的仕事に注力できる環境です。
しかし私も少しでも娘との時間を増やすために、レタッチャーとして一緒に仕事をしている妹に付き添ってもらい、出張の際に娘も連れてきたりしています。
仕事中は妹に娘をお願いしし、仕事後に皆でディズニーランドに行ったりしています(笑)
私はこのようにして、仕事も娘との時間も楽しんでいます。

Q:今後の目標は何かありますか?
子供は、2人目もほしいので、全国で提携を進めている産院が“100院”まで到達したら!と考えています。
妊娠したら、生まれる直前まで働きたいです(笑)
実際に妊娠10ヶ月までフォトグラファーとして働いていた人もいました。その人は5人目の出産で、生んだ後も数カ月で復帰していました。逞しいですね!
現在も、活躍している妊娠中フォトグラファーもいます。
妊娠してお腹が大きくても&産後も、やりたいことを諦めず、こんな風に働けるんだよ!というところを是非皆さんにも見せたいです。
あと、1人目でニューボーンフォトが撮れなかった悔しさがまだあるので、2人目の我が子では絶対撮りたいです!
あと仕事面では、まだまだ開拓してない都道府県が沢山あるので、どんどん拡大していきたいです。
まだまだニューボーンフォトは日本に根付いてはいないので、ニューボーンフォトを広めることで、“日本の文化”へと繋げていきたいです。ニューボーンフォトといえば、私たちが提供しているスリーピングニューボーンフォト!という立ち位置にいきたいですね。

Q:最後にメッセージお願いします。
A:やりたい!と自分が強く思い描けば、できないことはほぼないと私は思っています。
子供を生んじゃったからキャリアを諦める、好きなことを諦める…とかじゃなくて、そういった人が“子育ても充実させながら、仕事を楽しみ、活躍できる”そんな場をたくさん作っていきたいです。
決して私が特別なわけではありません。誰もできると思います。皆さんに希望を持ってもらいたい。
夢に向かって進んでもらいたいです。

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Sleeping Newborn Photo
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スリーピングニューボーンフォトアカデミー

ニューボーン(新生児)専門のフォトグラファーとして活躍できるアカデミー。写真の技術だけでなく、産後のママとのコミュニケーションの取り方など現場でしか学べないスキルが身に付きます。

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